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・マルチ勧誘にご注意を! 2004.08.28
 最近、伊賀地域でも一般にはマルチと呼ばれるビジネスが活発になりつつあるようです。
 マルチ以外にもMLM(マルチ・レベル・マーケティングの略)、ネットワークビジネスなどと呼ばれたりしていますが全て同じ内容のものです。ネットワークビジネスと聞いてITビジネスの事かと勘違いする人もいるかもしれませんが、友人・知人に広めていくビジネス。つまり、友人・知人のネットワークを用いたビジネスという事で、こう呼ばれているようです。なお以降の文章ではMLMと表現する事とします。
 MLMを完全に否定している訳ではありません。MLMの販売手法はある面では非常に画期的なもので販売側からすると小資本で販売ルートを確立できるというメリットがあるのです。ただ多くの場合、この販売システムを悪用し、ごくごく一部の人間にのみ多大は利益が入るようになり、その他多くの人は販売システムの良い面だけを説明されて損をする(ローンが残る)というケースが多いのです。
 昨今の健康ブームやエコロジーブームに便乗してそれらの関連商品を販売しているケースが見受けられるようになりました。その商品(又はサービス)は一般市場での同等商品と比較して数倍〜10数倍の価格で購入する場合が多いのです。

 他で販売されている同等商品と比べて高額であったとしても、その商品自体に購入者が満足しているのであれば良いでしょう。ただMLMについてまわるビジネスの部分に期待して高額な商品を購入したりローン契約するのは考えた方が良いのではないでしょうか?もちろん、それを含めてやってみるという人を止めはしませんが、そういう方でも以下の内容を理解しておいた方が良いでしょう。 
 なお、MLMに限定したものではありませんが、話を聞く際に注意した方が良いと思える部分をまとめてみました。

  • 話を聞く前の段階(直接や電話、メールなどの勧誘時)に商品(またはサービス)の詳しい説明を説明しないモノは、要注意です。「私が説明するのは難しいので他の人に・・・・」などと言うケースです。
  • 話を聞いた直後に、その場で高額商品(サービスを含む)の契約を勧めるようなケースは、どんなにオイシイ話でも要要注意です。そのような場合は、どんなにオイシイ話をされても断ってしまう方が安全です。「今日でキャンペーンは終了です」「空きがほとんど無いので、今日契約しないのなら他に待っている人がいるので、そちらにまわします」などという言葉に惑わされないようにしましょう。
  • システムの説明時に「ねずみ講ではありません」とか「法律でも認められているシステムです」とか「違法ではありません」というような言葉が飛び出したらマルチ商法である可能性大です。
  • 「過去に常識で無かったものが現在では常識になっている。これも今は常識では無いけれど将来は常識なものになる。」などと言う説明があれば、さらに怪しさ炸裂です。常識では無いという言葉を「未常識」という造語で話すケースもあります。また、過去と現在の比較として「携帯電話」を例に挙げるケースも多いです。「数年前には電話を持ち歩いて使うなんて誰も考えなかった。でも今はみんなが持っている。このように今は未常識でも、将来はこれが常識になるんです。」などと言ったりもします。
    注)未常識:造語で、今はまだ常識になっていないが将来常識となるものと言う意味らしい。

 最近では、MLMに関する書籍や雑誌なども本屋さんに行けば見受けられるようになりましたので、MLM全てを否定するつもりはありませんが、契約をする際には、話を聞いた場ですぐに契約をするのでは無く、一度持ち帰ってご家族や友人・知人とよく相談し、じっくりと考えた上で結論を出すようにしましょう。「持ち帰っても良いですけど・・・・」とその後に言葉が続くようなら相手を信用しないほうが良いでしょう。 

 さて、そもそもMLMというのはどのようなシステムなのでしょうか?
基本的な部分を簡単に解説してみます(実際にはこの基本部分を元にさまざまな形に変化させたシステムで運用しているようです)。
MLMとは最初にも書きましたが、マルチレベルマーケティングの略です。これを略してマルチと読んだりもしますが、このマルチレベルとはどういったものかというと、

例えば 
 AさんがBさん・Cさんの2人に商品を販売した場合に手数料が1万円づつ入るとします。
 ここまでなら、通常良くある紹介システム(会員向キャンペーンで紹介キャンペーンとする場合もあります)です。

 MLMは、ここからが違います。

 ここでBさんがDさん・Eさん、CさんがFさん・Gさんにそれぞれ2人づつに販売した場合Bさんには1万円づつ、Cさんにも1万円づつ手数料が入るところまでは同じです。

 
 しかしDさん・Eさん、Fさん・Gさんと直接は面識の無い(面識がある場合もありますが)Aさんにも一人につき5000円づつ計2万円の手数料が入る・・・というように紹介者が紹介を続けて、それに応じて手数料が入る仕組みです。
 これが、さらに何世代か続いていくのです。

 この場合Aさんから見てBさん・Cさんは1世代目(Level 1)となり、D・E・F・Gさんは2世代目(Level 2)となります。ここで着目点をBさんに移してみると、Bさんから見てDさん・Eさんは1世代目(Level 1)となるのです。つまりトップレベルから見て1世代、2世代、3世代・・・と展開していくのですが、それぞれのレベルに着目すると、それぞれのレベルでもやはり1世代から順に展開して行くことになり、どの世代でも平等に同条件で販売できるというのがこのシステムの特徴です。この部分だけ見ると一般の会社社会のように一般社員が頑張っても、それを仕切っている課長や部長の方が給料が多い・・・という社会と比べて平等だ・・・と説明するケースが多々あります。
 確かにこの説明はある意味で、正しい側面があります。

 ただ、ここで良く考えないといけないのは、このMLMの儲かる構造が成り立つには消費者が無限に存在しなければならないという点にあるのです。人口は有限なので、MLMのシステムではいずれ限界が来るのです。
では、その限界を実際に計算式で出して見ましょう。ここからは高校数学程度の知識が必要となります。

 先の例のように1人の人が2人づつに販売しつづけるというケースで考えてみます。便宜上、日本の人口を1億人、伊賀地区では名張市の人口を10万人として、限界がどのくらいで来るのかを考えます。また、計算の都合上1人の人が2人に販売した時点で、それぞれの階層の人はそれ以上は販売しないものとします。

1人が2人づつに販売しつづけ、総数が1億人に達するまでにかかる階層数をnとすると、次の式が成り立ちます。
・2n+1-1=1億
・2n+1=100000000+1(右辺を数字に変換し、両辺に1を加える)
・2n+1≒108(+1は1億に対して十分小さい数字なので誤差とし、べき乗に変換)

ここで両辺を常用対数化します。
・log10n+1=log1010
・(n+1)×log102=8×log1010(対数でのべき乗は乗算に変換)
・(n+1)×log102=8(log1010=1により変換)

両辺をlog102で除算します。
・n+1=8/log10
・n+1≒8/0.3010(常用対数log102は0.301029995663981・・・)

よって
・n≒25.6

となります。つまり26階層で日本の人口を上回ることになります。
同様の計算を名張市の人口で計算すると
・n≒15.6
となり、16階層で名張市の人口を上回ることになります。

これでは、ピンと来ませんので、またまた例で考えてみましょう。

1人の人が1日に2人に販売し販売した人は以降販売しないものとします。
すると毎日購入者が毎日2人づつに販売するなら16日後には名張市の人口以上に販売され26日後には赤ちゃんからお年寄りまで全てを含んだ日本の人口全員に販売することになります。
毎日では無く1週間に2人づつとするなら4〜5ヶ月後には名張市の人口に、半年後には日本の人口全員に販売する事になるのです。
販売する間隔を1週間から1ヶ月に2人づつとしても1年4ヶ月後には名張市の人口に、2年2ヶ月後には日本の全人口に販売することになるのです。2人づつでこのような状況です。もしこれが5人づつというシステムだとしたら8階層目には名張市の人口に、12階層目で日本の人口に達するのです。

実はこの計算式は、ものすごく甘い計算式で、人口が最終階層に達する時の数を算出しただけのものです。実際にはこれよりも早い段階で限界に達することになります。その際の計算式としては、左辺が2や5では無く2!や5!となります。つまりべき乗の階乗表現となります。この場合等比数列の和でも表現できますが、nを求める計算式がさらに複雑になりますのでここで書くのは控えますが、1階層くらい少ない状態で限界に達すると思って下さい。

このようなシステムが本当に現実的に儲かると思いますか?
実際には、紹介しても購入しない人もいるだろうし、それこそ判断能力の無い未成年者に限っては通常は契約できませんから実際には上記の数よりも少ない段階で限界に達してしまうのです。

MLMのオイシイ(と見える)部分にかり気を取られないで、良く考えて行動しましょう。自分だけで考えるだけではなく、親しい人に相談する事をお勧めします。

最後にMLMに関する情報サイトをいくつかご紹介しておきます。
マルチ&悪徳商法 SOS-FILE
悪徳商法マニアックス
ネットワークビジネスリスク研究所
消費者契約法
特定商取引に関する法律


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